上場企業の決算開示を早くするには | 世界一熱い投資会社の日記(β版)

上場企業の決算開示を早くするには

東証の決算短信に関する研究会が

企業の決算短信開示は45日以内

という報告を行ったようだ。

上場企業は原則として決算短信の発表を
決算期末日の翌日から45日以内に発表しなくてはいけなく、
できれば30日以内が望ましいということのようだ。

これを2007年3月期から適用しようということのようだ。
(3月決算の会社はすぐに次年度になるので実質的には準備期間はほとんどない)

ただ、決算開示を早くするためには
社内的な努力だけではすまない部分もあり、
監査法人の監査業務の迅速且つ効率的にしなければならず、
取引先に対しても、残高確認等の対応を速やかに要請しなければならないし、
連結決算を組んでいる会社にとってみれば、
子会社の決算をいかに早く組むかということも課題になるだろう。

そのあたりの課題がクリアできたとしても、
経理等の人員を30%~50%程度増加させるか、
よりシステム化を進めて効率的な計数管理をする必要があると思われる。

会計監査に関しては、さまざまな事件によって
より厳密な監査が求められているというのに、
取引所がそれと相反するような要請を企業にするということは
どういうことなのだろうか。
(たしかに決算発表を早期化させると不正を行うための
 時間的余裕を与えないということには効果があるのは確かだと思う)

決算の早期化は、実は経理や管理部門以外の経営陣を含めた
全従業員の協力があってこそであって、
日々の業務の積み重ねによって生まれる数字の集計が決算となるのだから、
このような決算早期化の要請に対して、
全社的な啓蒙活動ができるのかどうか。
ここが企業に問われているところだと思う。

ただ、決算早期化よりも、
上場企業に対して3~5年程度の頻度で
取引所が上場企業としてふさわしい経営管理制度が維持・発展されているのかを
実査(検査)する制度を導入するのが先決だと思う。