世界一熱い投資会社の日記(β版) -5ページ目

再び中国へ

再び中国へ行ってきます。

今回行くことによって
当分の間は行かなくて済みそうなので
積み残したがないようにしてきます。

今回は1泊2日ですが、
中国の状況などを肌で感じてきたいと思います。

IPOをするための十分条件

1.IPOをするためには、
  各市場が定めている形式的な基準を超える必要がある。


2.IPOをするためには、
  適時開示が行える内部管理体制を整える必要がある。


四半期決算を求められる市場においては、
とくにこの適時開示という部分は、意外とハードルが高い。
四半期決算の発表を45日以内には必ず行わなければならないからである。

3.IPOをするためには、
  コーポレートガバナンスが機能している必要がある。


パブリックな企業となるのだから、
特定のものへの利益誘導や、不正などが行ってはならないのである。
そのためには、会計監査、監査役監査、内部監査が連携して、
会社内を監査し、是正する仕組みを内包する必要があるのである。
また、不正が起こらない体制にすることも重要である。
そのための体制作りとして、規程の整備や帳票類の整備も
付帯的に必要となるのである。

4.IPOをするためには、
  精度の高い利益計画(年度予算)の作成と実行をする必要がある。


IPO後は投資家に対して、利益計画を公表し、
それも企業分析の対象の一つとしてとらえて
投資家は投資活動を行うのだから、
その計画の精度が高いものであるという担保が必要なのである。

IPOは実はこの4つが備わっていると達成できるはずである。
しかし、この4つが備わっていてもIPOできない会社はあるのである。

これらのIPO条件はあくまでも必要条件であって、
十分条件ではない。

では、IPOをするための十分条件とはなにか

それは、

「IPOに対する全社的な執念」

があることなのである。

IPOを行う過程では、考えられないような困難が
いくつも起こっていく。

しかし、それを乗り越えてIPOを絶対にするんだ!
という執念を持ってやり遂げる気持ちを
全社的にもっていなかればIPOをするには十分ではないのである。

経営戦略入門β版 その2

昨日は以前に取り上げた経営戦略入門β版の2回目の講義。

今回はBSとCFについて説明した。

BSについては、まず
負債と資本は資産を買うための資金の調達方法の違い

その上で、大まかにどのような科目があるのかを見る。

そして、BSとPLの関係などについて話をする。

売上は主に現預金や売掛金を増加させ、
費用は主に買掛金や未払金などを増加させ、
その差し引きである損益は資本を増減させる。

このような関係にあることを説明。

とくに売掛金は資産を増加させるが、
相手に無償でお金を貸していることと同義なので、
与信ということが非常に重要になると説く。

やはりBSになるとPLに比べてやや複雑になるので、
講義の手ごたえが前回ほどはない。

BSを見たところで、次はCF

「すべてが現金主義で会計処理がされていれば
 PLで現金の推移がほぼ把握できるが
 現在は発生主義でPLとBSが作成されているので、
 現金の流れがつかみにくく
 PLでは大幅な利益が出てても、
 営業CFがマイナス
 という例もよくあること。
 そこを見分けて、企業の健全性を図る必要がある」

ということで、CFを解説。
営業活動、投資活動、財務活動のそれぞれのCFについて
解説を行った上で、
それぞれのCFのあるべき状態について説明をする。

そして、最後におまけとして、
ちょっと財務戦略っぽいところをということで
ディスカウント・キャッシュフロー法による企業価値算定
の方法について解説。

企業価値は将来その企業が稼ぎ出すキャッシュ(現金)を、
 現在価値に割り引いたその総和である。


CFまでいくとBS以上に手ごたえがあやしくなった。

やはり

PL>BS>CFの順で難易度は上がっていくようだ。

それでもめげずに、次回は財務分析やらオフバランス取引やら
連結の概念などについての講義をしようと構想中。

仕事ができるかできないかの違い

昨日、ふとした会話で気付いたこと。

考えてみるとあたりまえなのだが、
たしかに。と思ってしまった。

仕事ができるかできないかの違いは

「好奇心の大きさ」

によるものなのではないだろうか。

何事にも興味をもって、試してみる。吸収する。
そういう気持ちがあれば、
何事もうまくいく気がする。

仕事の達成を妨げる最大の要因は
その仕事における
「はじめの一歩」
を踏み出せるかどうか
なのであり、
一歩踏み出してしまえばだいたいのことはうまくいくのである。

とってもシンプル。

ここ数日の悩み

ここ数日、このブログに
アダルトサイトとおぼしきところから
トラックバックが頻繁につく。

無差別にやっているのだろうけど、
不快なので、
ひとまず削除をして対応しているのだが、
なにか抜本的な対策はないものなのだろうか。

たしかにコンテンツの認知度を高めるための
プロモーション戦略としては
否応なしに目に触れるので一定の効果はあるだろう。

ただ、それをしてまで儲けることが正義なのだろうか。

どのようなコンテンツでも認知度を上げることは重要である。
他の国では、通常のコンテンツであっても
認知度を高めるために、スパム的なメールをばら撒くこともあるようだ。

しかし、迷惑を顧みずに行われるこのようなことは、
効果があるといっても続けるべきなのだろうか。

儲けることがすべてではなく、
ちゃんとした倫理観をもつことが
ビジネスを行う上では最低限のマナーだと思う。

社員向け経営戦略入門β版 「財務諸表編第1回」

社員にも経営戦略的な視点を持ってもらおうと思って
10月から開催を始めた
「経営戦略入門β版」

前回は社長が教えていたようですが、
今回からは私が講師。

まずは、経営戦略を語る前に
財務諸表が読めないといけないなと思い
全3回の予定で
「財務諸表」を読もう
という講義にした。

今回はその第1回ということで、
本日はPL(損益計算書)について学びました。

講義の要旨は

1.株式会社とはなにか

2.収益とはなにか、損益分岐点とはなにか

3.PLを読んでみる

4.事業別PLを読んでみる

5.事業別PLを見ながらPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)について知る

という構成

1.では株式会社の仕組みや
株主総会を頂点として、どのような組織となっているのか
ということについて解説。

ポイントは
「株式会社は株主から調達した資金を基に、事業を行い、株主に収益を還元する
 ことを追求する存在である」

ということ。

そこを踏まえたうえで

2.では収益についての考え方

「収益=売上-(固定費+変動費)」

という考え方を知る。

3.、4.では、それを基に実際のPLや事業別PLを読む。

5.では4.で見た事業別PLをもとに
PPMの考え方を図示して解説。
最後で会計だけでなく、戦略的な視点も付加した。

1時間半の講義ではあったが、
社員の知識レベルがばらばらであったなかでは
最低限の知識だけは身につけてもらえたのかなと思ってる。

次回はアンケートをとろうと思う。

平成電電の破綻に思う

10月3日に「平成電電」が破綻した。

割安な通話料を強みとしてサービスを行っていた同社だが
日本においては、通信についてユーザーは保守的な
思考をもっていることもあって、
大きな後ろ盾を持たない同社はかなり営業的には苦戦をしていて
損益分岐点を大きく下回って推移をしていたために
破綻をしたようである。

これだけならば、ITバブル崩壊時にもよくあった話。

しかし、今回大きく違うのは、
同社の主要サービスの設備はリースをしていて、
その機器は投資家が出資をした匿名組合が買い上げて
平成電電にリースをしていた
という仕組みをとっていたこと。

この匿名組合によって集めた資金をもとにした
リース契約の負債は490億円

これは予定配当10%(時期によっては8%)という宣伝のもとに
「平成電電システム」と「平成電電設備」という名前は似ているが、
まったく関係のない会社が集めた資金。

普通に考えれば、
この2社は平成電電とは関係がなく、
匿名組合の運営にかかる資金は投資家がだしていたので
平成電電の影響はまったく関係ないといえる。

しかし、この匿名組合に出資していた投資家から考えると
平成電電が使う設備を取得して、平成電電にリースする
という代替手段のないものを運営する匿名組合に出資をしているのだから
その相手先となる平成電電が破綻したとなると、
民事再生によって、新たなスポンサーが組むスキームによっては、
リース契約を白紙にすることができるので、
かなりの影響を受けるのでないだろうか

そもそも、予定配当利回りが10%や8%とうたって
資金を集めていて、
それが1社への設備リースによって得られる収益を原資とした利回り
であるという時点でまず考えなければならないことがある。

それは、設備をリースする企業の経営の健全性である。
リース期間満了まで、リース料を払えるのか否か。

現在の通常のリースは、通常の銀行の貸し出し金利並に
リース料は安いという環境において
10%や8%という利回りはなかなか現実的ではないし、
そのような利回りを実現するためには、
設備をリースする企業が、リース設備を利用して10%や8%を大きく上回る収益
(通常の財務分析でいうとインタレスト・カバレッジ・レシオにあたる指標として判断)
をあげなければならないと考える必要がある。

このような高利回りを見込んだ商品については、
その予定利回りが高ければ高いほど、
リスクは高いという認識のもとに、
リスク分析をしっかりと行う必要があると思う。

関係会社と関連会社

証券業界に限らず、同じような言葉に思えて
実は意味が違うという言葉はたくさんあります。

その中の一つに関係会社と関連会社があります。
よくごちゃ混ぜで使っている方が多いので整理しましょう。

証券取引法における言葉の違いであると

■関連会社
20%超~50%以下の株式を所有する会社のこと。
(厳密にいうと持分法が適用される会社については
 人的関係がある会社なので、それも含まれる)
上記について、持分法が非適用であっても
シェアを持っているようだったら関連会社というようです。

■関係会社
関連会社に子会社や親会社を含めた会社が該当する。

そういう意味で、「関係会社」という言葉の方が
カバーしている範囲は広いのです。

では20%未満の株を持っている会社のことをなんというのか
(人的関係で持分法適用関連会社になる場合は除く)

これはたとえば
・投資先
・資本提携企業
・パートナー企業
などとあいまいな表現にしておくのがよいでしょう。

「関係会社」と「関連会社」
一見同じような言葉に見えても
その正確な意味が違う。

だからこそ、法律で定義づけられている言葉は
その意味を知った上で
使い分けていく必要があるのだと思う。

なぜなら知らないで使用することによって
自分が不利益を被る可能性があるからだ。

※これは「投資」と「投機」の言葉の違いにもいえますね。

楽天のTBS株取得に思う

今日、楽天がTBS株取得というニュースがあった。

以前にライブドアがニッポン放送の株式を取得したときには、
大騒ぎになったのだが、
今回はそれほどの騒動にはなっていない。

野球のときもそうだが、楽天という会社は
ライブドアという会社ほどは
騒がれない会社である。

それはもちろん、ライブドアという会社が社会に挑戦をして
叩かれても開きかけたドアに、
楽天が名乗りを上げるというパターンだからである。

日本という国では先行者利得というよりも、
2番手利得という考えで物事を進めたほうがよいのかもしれない。

なんだかんだ言っても
まだまだ日本人は調和を好むわけであって、
いきなり先制パンチを食らったら面食らってしまうけど、
それで免疫ができたあとであれば、
ある程度は受け入れられるという社会なんだろう。

この一連の出来事は、
両社のキャラクターの違いという面はあるかもしれないが、
上記を思わせるに充分だと思う。

この先果たして野球のときのようになるかはわからないが、
ライブドアとニッポン放送のようなことにはならないでしょう。

ただ、野球のときを考えれば、
最後の漁夫の利は、異論もなく当然のように球団を
ダイエーから買い取れたソフトバンクであったと思う。

そこから考えると、もう一幕くらいネット企業による既存メディアの買収は
あるかもしれない。

この一連の出来事は、ネット企業が大きくなるには、
どうしても最終的には売上や利益の大きいリアル企業と合併をするか、
取り込んでいくということをしなければならないということの証左ではある。

そう考えると、孫正義さんは、
かなり昔に外国人と組んでテレビ朝日を買収しようとしたのには
先見の明があったんだなと思ってしまう。

※上述した内容は私見であり、その内容及び情報の正確性について
  一切保証するものではありません。各自でご確認ください。
  さらに、上述されている銘柄などについては、
  その投資の勧誘を目的とするものではありません。
  実際の投資行動においては、各自の自己責任でお願いします。

キテイを作る その1

キテイと書いてもなんのことかわかりにくい。

「規定」とか「規程」と書きます。

会社の業務に関するルールを定めたもので、
これ以外に「規則」とか「マニュアル」
というものもあります。

従業員として身近なものだと
・従業員の働くこと全般を定めた「就業規則」
・給与の計算方法や支払方法を定めた「給与規定」
というものがあります。

このほか、会社を作るときに必要な「定款」
というのもこの「キテイ」の中に入ります。

どんな会社でもルールというものが存在しているのですが、
IPOをしようとする場合には、
それを「キテイ」という形式にして、明文化しなければいけません。

これがなかなか大変なのです。

まず作らなくてはいけない「キテイ」は大まかに分類して5種類あります。

1.基本キテイ
2.組織キテイ
3.人事労務関連キテイ
4.業務管理キテイ
5.その他(総務)キテイ

さらにこの5分類には
それぞれ3~10種類くらいのキテイが存在します。

通常、IPOを目指す会社が最初に躓くのがこのキテイ整備。

他社の事例などをそのまま持ち込んでしまい、
自社にまったく合致しなくて、
キテイの運用がきちんとできていないということで
IPOなどもってのほかとなってしまいます。
(意外とそれがわからないIPOコンサルと企業が多いのですが・・・)

会社というのはそれぞれ業務のやり方は違うという認識にたって、
手間はかかるけど既製のキテイではなく、
オーダーメイドでキテイを整備していく必要があるのです。

そのためには、キテイを作るために、
商法、証取法、人事(労基法や社会保険など)、総務(情報管理や固定資産管理など)、
経理、財務、経営企画、営業、開発など
一つの会社にかかわるすべての業務の知識が必要となるのです。

ですので、一般的にIPOプロジェクトを全社を挙げて行うという一つには、
このキテイ作りのために社内の英知を結集させるという必要があるからなのです。

しかし、いろいろな人が集まって作ると別の問題も出てくるのです。

続く